日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【呼吸筋エコーのシステマティックレビュー】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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皆さんは、呼吸筋エコーをされていますでしょうか。最近では日本でもよく、横隔膜エコーなどを耳にするようになってきました。

それでは呼吸筋エコーの実態は、どうなっているのでしょうか。呼吸筋に関するシステマティックレビューとメタアナリシスが、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどを中心としたグループから報告されました。呼吸筋エコーに関しては60個の研究、5025人の患者さんが対象となりました。そして39個の研究がメタアナリシスに含まれました。最も一般的な呼吸筋エコーの評価項目は、横隔膜の筋厚、収縮率、移動距離のようです。測定の信頼度に関しては、同一測定者でも異なる測定者でもとっても高いようですが、測定の方法に関しては研究により違いがあるようです。横隔膜の筋厚、収縮率、移動距離は再挿管の予測因子にもなるようです。

一方で肋間筋に関してはたった3個しか研究がないようです。限られた研究数ですが、肋間筋の収縮率も再挿管の指標になるようです。

てことは肋間筋のエコーが、今はチャンス!?

実は呼吸筋のエコーに関しては、横隔膜や肋間筋のみでなく腹直筋や胸鎖乳突筋など様々なものがあります。患者さんにとっても非侵襲的な検査ですし是非トライしてみてはいかがでしょうか?呼吸筋の評価!!!とっても大事だと思います。

Methodological and Clinimetric Evaluation of Inspiratory Respiratory Muscle Ultrasound in the Critical Care Setting: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36661463/