日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【半端ない!側頭筋アセスメントの有用性】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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今回は超音波で側頭筋の厚みを測定することが筋萎縮の評価に有効であるという、ドイツのAndreas Maskosさん達の研究報告です。側頭筋を超音波で測定するなんて!?初耳の方もいるかもしれませんが、実は少し流行りです。

この研究では神経系のICUで40人の患者さんが対象となりました。測定したのは3つです。「超音波での側頭筋の厚み」「CTでの側頭筋の厚み」「超音波での大腿直筋の厚み」です。超音波の測定は3-4日毎に測定されたようです。近年ゴールドスタンダードになってきているのは超音波で測定した大腿四頭筋の筋肉量で、大腿四頭筋の筋肉量は全身の筋肉量を反映するといわれております。

今回の研究でも大腿直筋の厚みは低下していったようです。そして、この超音波で測定した大腿直筋の厚みと超音波とCTで測定した側頭筋の厚みは相関していたようです。

大腿直筋の厚みと超音波の側頭筋 r = 0.746, p < 0.001
大腿直筋の厚みとCTの側頭筋 r = 0.609, p < 0.001

つまり、大腿四頭筋ではなく側頭筋の厚みを測定することで全身の筋萎縮のモニタリンの指標になるかもという結論でした。

側頭筋って半端ないってー
そんなんできるんやったら最初からいっといてーって感じです(笑)

大腿四頭筋の測定はベッドをフラットにして測定する、大腿部を露出させるなどの大変さがありますが、側頭筋の測定であればより簡易に測定できるかもしれません。是非サルコペニア評価にルーティンに側頭筋の測定してみてはいかがでしょうか?新しいエビデンスは本当に面白いですねー!

Diagnostic Utility of Temporal Muscle Thickness as a Monitoring Tool for Muscle Wasting in Neurocritical CareNutrients.
https://www.mdpi.com/2072-6643/14/21/4498