人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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今回のテーマは「早期離床がせん妄の予防に有効か否か」です。
早期離床がせん妄に効くとか効かないとか結局はどうなの??っていうあなた!おそらく今回紹介する論文が世界で最新のメタアナリシスです。Peter NydahlさんやDavid McWilliamsさんなど、世界の離床やせん妄で活躍しているグループが新たなメタアナリシスを報告しました!
このメタアナリシスでは13件のRCT、2164人の患者さんが含まれました。そして、やはり早期離床はせん妄を47%減らすという結果が得られました。オッズ比では 0.53 (95% CI, 0.34-0.83, p = 0.01)という有意な結果でした。「なんと早期離床によりせん妄が半減する!といく驚きの結果です。」
早期離床によりせん妄期間が1.8日短くなる。しかし、I2 = 078%とRCTごとの結果のばらつきが大きいため、さらなる質の高いRCTが必要と結論づけられています。ちなみにサブ解析の結果ではLow intensity mobilization(低強度の離床)でも、有意にせん妄のリスクを減らすという結果が得られています。
できることから少しずつ!根拠のある医療の提供を目指していきましょう!!
PeterNydahl et al. Early mobilisation for prevention and treatment of delirium in critically ill patients: Systematic review and meta-analysisIntensive and Critical Care Nursing.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0964339722001379?via%3Dihub