日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【t-PA後の予後予測】投与後24時間にみるべきパラメータとは

血栓溶解療法(t-PA)は、脳梗塞患者さんの予後の改善に有効ですが、予後不良となる事例もいるため注意が必要です。

t-PA投与後の予後不良を予測する方法に関して、興味深い報告が届きました。この研究では、t-PAを投与した患者さんの、3カ月後のADLを調査し、ADL不良に関連する要因を調査しています。その結果、入院中の血液データでPLR高値が、3ヵ月後のADL不良と関連性が高いことが分かったということです。PLRは血小板とリンパ球の比のことで、PLR高値ということは、リンパ球に対して血小板数が多い状態を表します。t-PA投与後の離床時には、神経症状のアセスメントに加えて、血液データも見る必要があると感じる研究です。

下記原典では、実際のPLRの値と予後の関連について詳細なデータをみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Ying-Ying Sun et al. Platelet-to-lymphocyte ratio at 24h after thrombolysis is a prognostic marker in acute ischemic stroke patients. Front Immunol. 2022 Sep 26;13:1000626.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9549955/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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