日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【重症患者の改善のキーはミトコンドリアにある??】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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なんと筋エコーのシステマティックレビューがでました。筋エコーって最近よく耳にするけど実際にはどうなの?っていうそんなあなたに、このシステマティックレビューの結果をお届けします。

イギリスのCaseyらは筋エコーを行った37件の研究でシステマティックレビューを行いました。出版された雑誌はIF12点もあるJournal of Cachexia, Sarcopenia, and Muscleというあの超名前の長い雑誌です。このシステマティックレビューでは急性期も慢性期も含めた筋エコーの評価を行いました。37件中、22件は急性期の患者を対象としたものでした。残りの慢性期を対象とした研究では癌、COPD,心不全、腎不全の患者を対象としているようです。これらの研究のうち28件(76%)は筋エコ-による筋断面積や筋厚、筋輝度などの測定は身体機能、入院期間、再入院率、生存率の評価と有意に関係していたと結論付けています。

さすが、筋エコー!!

しかし、超音波の評価方法などは研究によって全然異なったようです。経時的にみると筋エコーの論文数は2019年までは年間5本もでていなかったようですが、2020から年間10本以上と急激に論文数が増えています!やはり、ここ10年20年は筋エコーはブームであり続けると自分は確信しております。筋エコーのプロトコールの確立や教育が急務ですね。

筋エコーを習得するのは大変です、しかし極めれば臨床・研究において必ず役にたちます。さあ、今日から是非新しいことに挑戦していきましょう!!

文献リンク
The current use of ultrasound to measure skeletal muscle and its ability to predict clinical outcomes: a systematic review
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jcsm.13041