日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【本当に離床できている?】離床実施に関する国際調査

「離床は当たり前の介入になった」と、当会の教育講座などでもお伝えしますが、人工呼吸器が装着されている重症な患者さんでは、世界的にみてもまだ当たり前とは言えないようです。

そんな人工呼吸器装着患者さんの離床について、当会の劉先生・中村先生・曷川先生らが国際調査を行いました。この研究は、33か国の計135施設が参加し、COVID-19パンデミックの状況下で、どのくらい離床が実施されているのかを調査しています。その結果、人工呼吸器を装着されている患者さんでは、COVID-19感染の有無に関わらず離床の実施率は10 % 未満と低かったということです。人工呼吸器が装着されているハイリスクな患者さんでは、リスク管理を個々のスタッフが行い、離床を安全に行う文化をつくっていく必要があると感じる研究です。

下記原典では、離床が阻害された要因について詳しくみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Keibun Liu, Kensuke Nakamura, Hajime Katsukawa et al. Mobilization and Rehabilitation Practice in ICUs During the COVID-19 Pandemic. J Intensive Care Med. 2022 Apr 27;8850666221097644.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9047602/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。