日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【どのくらい仕事に復帰できる!?】重症疾患から回復後の長期予後

重症疾患後では、若い人でも回復後5年経っても元の状態には戻れず、後遺症に苦しんでいるといわれています(文献1)。そんな、重症疾患患者さんの長期予後と職業復帰について、参考になる報告がドイツから届きました。

Rilinger ら(文献2)は、重症呼吸不全によりECMOや腹臥位療法を受け、回復して退院した患者さんの職場復帰について調査しています。その結果、退院1年後に生存した若めの患者さんであっても、職場に復帰できなかった人が約2割もおり、復帰できない理由の多くが、抑うつなど精神障害の影響が考えられるということでした。重症疾患に対する治療の進歩により、回復し退院できる患者さんは増えていますが、その後の精神障害や生活への影響に対する、長期的なフォローアップが必要と感じる研究です。

下記原典では、長期予後に関連する予測因子や、精神機能アセスメントの詳細をみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

  1. Margaret S Herridge et al. Functional disability 5 years after acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med. 2011 Apr 7;364(14):1293-304.
    https://tinyurl.com/2957lmuw
  2. Jonathan Rilinger et al. Long-term survival and health-related quality of life in patients with severe acute respiratory distress syndrome and veno-venous extracorporeal membrane oxygenation support.Crit Care. 2021 Nov 29;25(1):410.
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8628468/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。