日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【Dr. 中西の離床面白エビデンス】3日以内の離床が重症患者を改善する可能性

新コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」がスタートします!このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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48時間以内のアプローチ開始が重要なことはわかっているけど、端坐位以上の積極的な離床はいつまでにしたらいいのって思ったことありませんか?ICUでの離床のタイミングについて新しい論文が報告されました!日本離床学会医師部門の劉先生の論文です。

この研究では、後方視的に2013年から2017年までの単施設のデータベースを解析した研究になります。18歳以上の敗血症の患者を対象としました。ICU入室3日以内の端坐位以上の早期離床ができた患者とそうでない患者を比較しました。ICU入室3日以内に早期離床ができている患者で以下のような効果がありました。

早期離床により院内死亡率は低下:オッズ比 0.22 [95% CI 0.06–0.88]
早期離床により退院時に歩行できない可能性が低下:0.24 [95% CI 0.09–0.61]

つまり、3日以内の早期離床により患者のアウトカムが改善することが分かりました。さすが、日本離床学会が誇る劉先生!!

合言葉は
床上エクササイズ開始は2日以内
端坐位以上の積極的な離床は3日以内に開始

エビデンスに基づいた離床を目指していきましょう!目標は社会復帰です。

文献リンク
Optimal timing of introducing mobilization therapy for ICU patients with sepsis
J Intensive Care. 2022 Apr 25;10(1):22. doi: 10.1186/s40560-022-00613-8.
https://jintensivecare.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40560-022-00613-8?fbclid=IwAR2SF3OfOWDLmFaMZIkcjtzONfffxTv8fk0Y2HWUVzVZeq6-6yLBY0v9_1o