日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【こんなケースは要注意!】脳血管造影検査後の離床のリスク

脳卒中患者さんが検査後に離床を制限されることは少ないですが、造影検査後には安静が必要なり、カテーテル刺入部の血腫など離床にリスクを伴います。そんな、脳血管造影検査後の離床について参考になる報告が届きました。

Aljuboori らは、脳血管造影検査後にカテーテル刺入部の15分の圧迫後に、2時間の安静を行い、血腫があれば追加の圧迫を行うというプロトコルを実践し、その後安全に離床が可能かどうか検討しています。その結果、全例で脳血管造影後に安全に離床が可能でしたが、追加圧迫手技や安全時間の延長を必要とした患者さんの多くは、2剤併用の抗血小板薬(DAPT)を使用されていたということです。DAPTで治療中の患者さんの脳血管造影検査後の離床は、止血をより慎重に確認してから進めるようにすべきと感じる研究です。

下記原典では、脳血管造影検査後のプロトコルの詳細をみることができ参考になります。是非、ご覧ください。

Zaid Aljuboori et al. Early ambulation after transfemoral diagnostic cerebral angiography: a pilot study. BMC Neurol. 2022 Jan 24;22(1):34.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8785545/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。