日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【歩行開始がポイント!】術後せん妄予防に関する最新エビデンス

術後にせん妄が起こると、長期的な予後の悪化につながるため予防が重要ですが、コメディカルにできることは少ないと悩んでいませんか?そんなせん妄予防に関して興味深い報告が届きました。この研究では、がん術後の患者さんについて、せん妄が起こる要因を細かく調査しています。その結果、術後の歩行開始が遅れることは、重大なせん妄の危険因子であることがわかり、せん妄を起こした患者は、約10日も歩行開始が遅れていたということです。

術後は痛みや炎症など、離床の阻害因子が多いですが、多職種で協力して対策し、早期に歩行を目指すことが必要と感じる研究です。下記原典では、早期歩行以外に術後せん妄に影響する要因も見ることができ参考になります。是非、ご覧ください。

Jeong Heon Kim et al. Early Ambulation to Prevent Delirium After Long-Time Head and Neck Cancer Surgery. Front Surg. 2022 Apr 7;9:880092.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9022115/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。