日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【ルーティンに勝る個別性】せん妄予防プログラム 驚きの効果

術後のせん妄は、その後のアウトカムの悪化につながるため、予防が重要です。そんな術後せん妄の予防について、参考になる報告がドイツから届きました。Deeken らは、整形および腹部外科術後患者さんに対して、多職種によるせん妄評価や離床、栄養、睡眠の改善などを「患者さんのニーズ」や「状態」に合わせて行う、せん妄予防プログラムを導入した効果を検討しています。その結果、せん妄予防プログラムを導入により、術後せん妄が約4割減少したというのです。せん妄予防では、ABCDEバンドルなど多角的なアプローチが重要だと近年いわれていますが、患者さんの状態やニーズに合わせたアプローチが必要だと感じる研究です。

下記原典では、せん妄予防プログラムの詳細をみることができ、参考なります。是非、ご覧ください。

Friederike Deeken et al. Outcomes of a Delirium Prevention Program in Older Persons After Elective Surgery: A Stepped-Wedge Cluster Randomized Clinical Trial. JAMA Surg. 2022 Feb 1;157(2):e216370.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8674802/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。