日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【時計で離床のリスク管理?新しい頻脈のモニタリングの可能性】

頻脈は離床のときに注意すべきリスクの一つですが、モニターがない状況では、リスクの把握が難しいことがあります。そんな、頻脈のモニタリングに関する、興味深い報告が届きました。Siddeek らは、心電図がモニタリングできる時計である、Apple Watch によって、頻脈発作を記録し、アブレーション治療につながった症例を報告しています。症例は10代の女性で、息切れ、頭痛を自覚した際の心電図を、Apple Watchで記録して外来を受診しました。その結果、発作性上室頻拍であることが認められ、アブレーション治療で根治することができたというのです。臨床でも、離床中の不整脈モニタリングは難しいことが多いですが、このような端末が普及することで、離床のリスク管理につながる可能性があると感じます。

下記原典では、実際の心電図波形と詳しい経過をみることができ、とても参考になります。是非、ご覧ください。

Hani Siddeek et al. AVNRT captured by Apple Watch Series 4: Can the Apple watch be used as an event monitor? Case Reports Ann Noninvasive Electrocardiol. 2020 Sep;25(5):e12742.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7507696/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。