整形術後患者さんは、離床時に起立性低血圧を起こすリスクがあり注意が必要です。
人工膝関節全置換術後(TKR)の起立性低血圧対策に関する報告が届きました。
Cheng らは、TKR術後患者さんに対して、ステロイド剤であるデキサメタゾンを投与することで、起立性低血圧が減るかを検討しました。
その結果、デキサメタゾンを投与すると、しない場合より起立性低血圧の発生が約7割少ないという驚きの結果だったというのです。
術後の投薬により、離床を安全に進めることができる可能性を感じる研究です。
下記原典では、デキサメタゾンによる悪心・嘔吐など、起立性低血圧以外の合併症への効果もみることができ、とても参考になります。
是非、ご覧ください。
Gloria H. M. Cheng et al. Steroids Significantly Decrease Postoperative Postural Hypotension in Total Knee Replacement. J Knee Surg. 2021.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34237779/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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