日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

鳥越 俊太郎さん特別インタビュー

入院して苦労したこと、
驚いたことを教えてください。

初めて大腸がんで入院・手術をしたときは、驚きの連続でした。手術の痛み自体は思ったほど強くないのに、術後の口や喉がカラカラに乾いて胃に送っている管が痛いこと。さらに手術翌日、6 本の管が身体から出ているのに、ナースに「今 から廊下を歩いてください」と言われたことには驚きました。

術後すぐに歩くことは 不安ではなかったですか?

それはとても不安でしたよ。ナースに「歩きなさい」と言われたときに、「え、手術した翌日に歩くのォ?傷口は大丈夫かなぁ?」と真っ先に思いました。でも、 ナースに言われれば仕方ないので、管を引きずって、点滴棒にすがるようにして歩きましたよ。後から知りましたが、 術後に安静にしてベッドで寝ているのは昔の話で、いまの治療の常識では、手術翌日でもよほど重症でない限りは、ベッドから起きることが回復のためにすすめられているのですね。

病気や入院というイベントを
乗り越える秘訣はなんでしょうか。

私はこれまでに4 回の手術を受けました。これだけを聞くと、闘病でヨレヨレの患者を思い浮かべるかもしれませんが、今は手術の前よりも健康で元気になっているのです。それは、私が向き合った病気はどのようなもので、回復するためにどうすべきかを、客観的にみて、わからないことを学び、考え続けたからだと思います。その証拠に、初めての手術のときは術後フラフラで退院まで苦労しましたが、手術の回を重ねると余裕が出てきて、退院・仕事への復帰もスムーズになりました。やはり、入院や手術は大変だけれども身体を動かすことや、病気と向き合うための正しい知識を備えることが一番大切であると痛感しました。これからの時代、患者となりうる我々自身が「病気から身を守る知識」を身につけ、己と向き合うことが重要であると思います。

入院・寝たきりに知識で備える

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