集中治療室に入室した患者の早期離床を中心としたICUケアの実態を明らかにする国際アンケート調査
International Survey on the Reality of ICU Care Focused on Early Mobilization of Patients in Intensive Care Units~A One-day Point Prevalence Study~
I-CARE Study
【背景と目的】
重症患者に対する早期離床は、人工呼吸器装着期間やICU在室期間の短縮、身体機能の改善など、アウトカムの向上に寄与することが知られています。また、早期離床は、患者管理を包括的に改善するために作成されたABCDEFバンドルにも含まれています。しかしながら、重症患者への早期離床の実践には多くの障壁が存在し、質の高い早期離床が適切に行われている患者は少数にとどまっています。そのため、ICUで早期離床を提供するための体制整備が必要とされています。
一方、早期離床の効果を最大限に引き出すためには、鎮痛鎮静の調整やせん妄対策といったICUケアを併行して行うことが推奨されています(ABCDEFバンドルなど)。しかし、これらのICUケアが早期離床とどの程度併行して実施されているかを示すデータは乏しいのが現状です。
そこで、本研究では、早期離床を中心としたICUケアの実態を調査し、早期離床やICUケアの現状を把握するとともに、問題点(阻害因子など)を抽出し、早期離床を推進する方策を立てるために必要な情報を収集することを目的としています。最終的にはアジアパシフィック地域に特化したガイドラインの作成を目指します。
【研究デザイン】
本研究は、特定の日時においてICUに入室している患者に提供される早期離床やICUケアを調査するOne point prevalence study: アンケート調査です。日本全国の全てのICU施設が参加することができます。
また、医師だけでなく、看護師、理学療法士、どの職種でも、ICUに勤務されている方は参加することができます。参加にお悩みの際はぜひ参加の可否について、ご連絡ください。
【本研究の流れ】
- 【主研究者・連絡先窓口】日本離床学会、学会主導研究委員会に連絡をして、参加者登録を行う。
- 参加登録者に事前に“施設情報”に関するWebアンケートフォームが送られて記入してもらう。
- 初回アンケート実施日に“ICUケア情報”に関するWebアンケートフォームが送られてくる。アンケート調査日2025年の●月●日に参加ICUに入室しており、選択・除外基準を満たした患者に行われた早期離床またはICUケアの内容を入力いただく。(選択基準・除外基準の詳細については下にあります関連文書:研究計画書を参照)
(データ入力は各施設の負担を最小限にするために、スマホからでも入力できるようなオンラインECDの作成を行う予定です。)
※患者一人につき1回Webアンケートフォームを回答します。つまり、調査日に3人ICU患者がいた場合は同じURL Webアンケートフォームを用いて3回アンケート回答の入力を行います。 - このアンケート入力を2027、2029、2031、2033年●月●日の計5回行う。
【研究参加、各施設担当者のメリット】
- 研究責任者1名に主論文を含め全ての論文へのAuthorship権(Group Authorship)
- 二次解析の権限
- 研究協力者も全員Appendixに載せます
【データ閲覧・二次解析の権限について】
本研究参加施設には、主解析・主論文が発表されたあとにおいては、研究責任者の許可のもと、収集されたデータをいつでも閲覧し、二次解析および論文・学会発表を行う権利があります。
【各施設が必ず行う必要のあること】
- 各施設の倫理委員会に申請し、本研究の実行許可をもらう必要があります。
- 本研究は、介入はなく、日常に提供されている既存情報の収集であり、かつ純粋な学術目的であり、患者の個別同意は不要と判断しています(最終判断は各施設の倫理審査委員会の意見を聞く必要があります。)。
【各施設の負担軽減のための工夫】
各施設のデータ入力の手間や負担を減らすために、オンラインデータ入力フォーム(EDC)を作成する予定です。
研究について何かご質問・ご相談のある方はいつでも下の【研究責任者連絡先】までご連絡を下さい。
【研究事務局】
日本離床学会 学会主導研究委員会
事務局代表:曷川 元
【主研究者・連絡先窓口】
日本離床学会、学会主導研究委員会
研究代表者:劉 啓文
E-mail: asia_pacificem@jsea2005.org
【関連文書】
・研究計画書
【研究組織体制】
日本離床学会医師部門
委員長 横浜市立大学附属病院 中村 謙介
学会主導研究委員会・I-CARE Study委員会
ICU Collaboration Network 劉 啓文
京都大学大学院 恒光 健史
前橋赤十字病院 河内 章
岡山大学病院 本郷 貴識
日本離床学会
理事長 曷川 元
I-CARE Study国際プロジェクトスーパーバイザー
Dale M Needham (USA)
Sue Berney(Australia)
Chi Ryang Chung(Korea)
Jonathan Tan Jit Ern(Sinapore)
Leong Be Kim(Malaysia)
Amengsih Nazir(Indonesia)