日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.626 【マークすべき脂肪!】膝痛に関するQ&A

質問

膝の前面や膝蓋骨の下あたりの痛みがなかなか取れない方は、どのようなアプローチが有効ですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

ズバリ、脂肪をチェックしてください。

専門的には、「膝蓋下脂肪体」のことです。膝蓋下脂肪体は、膝蓋骨・膝蓋靭帯・脛骨大腿関節のちょうど中間にある脂肪で、神経を多く含むため痛みのでやすい場所です。立ち上がりやしゃがみ込み、階段の下りで膝の前や膝の奥が痛いと訴える患者さんでは、この膝蓋下脂肪体が原因であることが疑われます。

アプローチとしては、この膝蓋下脂肪体に炎症があると脂肪が硬くなっているので、マッサージなどで緩めてみて改善が得られるか試してみましょう。膝伸展の状態で膝蓋下脂肪体は前方に移動してくるので、膝蓋骨の斜め下、内外側でプニプニしている脂肪に触れることができます。

この脂肪を内側と外側で交互に指で動かしてマッサージし、軽く膝関節を屈伸、またマッサージを2から3セット繰り返ししてみて、痛みが改善するようであれば、膝蓋下脂肪体が痛みの原因である可能性が高いと考えます。鎮痛剤や関節可動域エクササイズ、物理療法で鎮痛効果が得られない場合は、是非、この脂肪体をチェックしてみてください。