質問
呼吸介助は小児にも実施できますか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
結論から言うと実施することができます。ただ、小児特有の注意が必要です。
小児領域とは、幼児、乳児、低体重出生児など体型はさまざまです。幼児では片手で、乳児や低体重出生児では指数本で呼吸介助手技を実施します。成人の胸郭とは大きさや運動方向が異なるため、体格に応じて指の数や手の当て方を工夫する必要があります。手を当てて、運動方向を確認し、その方向へついていくように押すという原理は成人と同じです。
ただし、実施に際しては胸を押すリスクとベネフィットをしっかりと考える必要があります。特に、新生児期に対しての呼吸介助は肋骨骨折の危険性が高く、十分なエビデンスがある訳ではありません。臨床的には呼吸器合併症の予防・改善に体位変換と吸引を併用することが主となります。
さらに、予備力の低下している児では体位変換後の姿勢がストレスにもなり得るため、安楽な体位であるか、十分な評価とディスカッションをチームで行いましょう。
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