質問
高次脳機能障害の改善には、障害への気づきが大切ということですが、障害への気づきは脳のどこが損傷されると出来なくなるのでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
高次脳機能障害における気づきとは、患者さん自信が障害に対して、どの程度気づき、認識しているかということで、復職や社会復帰に重要な部分です。
気づきの障害に関しては、Damasioらの報告によると前頭葉のネットワークや、脳後部から皮質下結合の関与が指摘されています¹⁾。これらの部分がMRIやCTなどの画像所見で障害されていた場合、気づきの障害が出ている可能性があります。
また気づきは、もともとの患者さんの性格や人格に大きく影響を受けるともいわれているので、器質性以外の要因も評価することが着目されています。患者さんの症状のみで判断するのではなく、家族への聴取も行ってみましょう。
1)Damasio AR:Descartes‘error:Emotion, reason,and the human brain,Putnam,New York,1994.
Tweet