質問
当院は脳卒中と整形外科がメインなのですが、先輩から呼吸のアセスメントができないと離床を進められないと言われました。脳卒中や整形の患者さんでも呼吸をみる必要がありますか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
「呼吸がわからなければ離床ができない」と言われるほど、呼吸は重要なアセスメントです。本当のそうなの?と思われる人もいるかもしれませんが、嘘ではありません。
まず、呼吸によって酸素を身体に取り込み、各臓器の細胞に運ばなければ、身体を動かすことはできないので、呼吸状態をみて、酸素が取り込めているのか、離床する前に必ずチェックする必要があります。呼吸のアセスメントでは、酸素が各細胞に行き届いているのか、生理的な事象をフィジカルアセスメントで押さえることに加えて、酸素デバイスや各データを見て、離床のリスクを見極めることが重要です。
呼吸のアセスメントは、呼吸疾患の患者さんはもちろん、その他の疾患でも必須です。なぜならば、脳卒中・整形外科術後・心不全など、さまざまな患者さんにおいて、呼吸は離床をして活動するための基本であり、不十分な離床で呼吸器合併症を起こして、酸素が運べなければ、その疾患の回復が阻害され、多臓器不全につながるリスクがあるためです。
これらのことから、離床を援助する全てのスタッフが、呼吸のアセスメントの知識をしっかり持つことが重要なのです。
Tweet