質問
挿管されている患者さんは、なぜ嚥下障害を起こしやすいのですか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
挿管患者さんは嚥下障害を起こしやすいことが知られていて、ICU-acquired swallowing disorders(ICU-ASD)と呼ばれて、近年注目されています。挿管患者さんが嚥下障害を起こす理由は、嚥下機能自体の問題と、全身状態不良の影響の2つに分けられます。
嚥下機能自体の問題としては、「挿管による咽頭喉頭の局所的損傷」「挿管による咽頭喉頭の感覚低下」「胃食道逆流」の関与が指摘されています。全身状態不良の影響としては、「神経筋障害による筋力低下(ICU-AW)が全身の筋および嚥下関連筋にも影響する」「せん妄・意識障害」「呼吸と嚥下協調不全」が関連していると考えられています。
これらのことから、挿管患者さんは、早期抜管を目指すために離床を促すことが重要ですが、嚥下障害を起こしやすいことを念頭に、早期から嚥下評価と対策を行う必要があります。
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