日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.474 【右と左のどちらが重症か】不整脈に関するQ&A

質問

離床前に心電図レポートをみると、時々脚ブロックと書かれていますが、右脚ブロックと左脚ブロック、どちらが要注意ですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

基本的に右脚ブロックは、左脚ブロックに比べ、問題のないことが多いとされています。一方で左脚ブロックは、心臓の病気との関連が強く、心不全の原因となる事がありCRT(心臓再同期療法・両心室ペーシング)の適応になります。CRTとは、心臓のポンプ機能を電気の刺激によってサポートする治療方法です。

本来心室においては、右心室と左心室に同時に電気的興奮が伝わり、左右両方の心室が均等な動きをします。しかし、左脚ブロックのような左右の心室の動きが、時間差で生じる場合には、ペースメーカを用いて左右の電気信号の順序を整えることで、心臓のポンプ機能が助けられます。このような治療をCRTや、両心室ペーシングとも呼ばれています。左心室の機能は循環動態に与える影響が大きいため、左脚ブロックは要注意と覚えておき、心不全兆候を認める場合は主治医に報告しましょう。