日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.459 【血流うっ滞の解除は有用?】バチ状指に関するQ&A

質問

低酸素状態が継続し、血流のうっ滞で生じるバチ状指ですが、温熱療法・手指運動など、指先の血流を良くすると、改善することもありますでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

バチ状指は、太鼓のバチのように指先が変形するもので、呼吸器疾患や心疾患でみられる所見です。バチ状指の生じるメカニズムは十分わかっていませんが、血流のうっ滞による、局所の低酸素状態を継続が要因と考えられ、その意味では温熱療法・手指運動など、指先の血流をよくすることで、理論上では改善する余地はあります。しかし、現実的にはバチ状指になるまでに相当な時間を経過していることが多いので、すでにバチ状指として器質化して、形状が元に戻ることはあまり期待できません。

また、バチ状指は慢性呼吸不全のフィジカル所見として有名ですが、慢性呼吸不全だけでバチ状指になることは稀で、慢性呼吸不全の方が肺がんを合併するとバチ状指を生じやすいといわれてます。バチ状指をみたら、バチ状指の改善を考えるよりも、肺の状態変化を疑うことが重要だと考えます。