質問
運動学習の内在的フィードバックと外在的フィードバックの違いは何ですか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
内在的フィードバックは自分の身体からのフィードバック、外在的フィードバックは他者から提供されるフィードバックのことを指します。
内在的フィードバックは、運動を実行する際に、自分自身の感覚に基づいて運動を評価・学習します。 例えば、歩くときに足底から伝わる路面の感覚を認識したり、進む方向を視覚的に確認したりすることが内在的フィードバックです。
一方で、外在的フィードバックは、外部からの情報を元に運動を学習するプロセスを指します。 例えば、6分間歩行の距離や、歩く様子を動画に撮って確認することなど、外部の手段を用いてフィードバックを行うことです。
看護師やセラピストからの声がけやアセスメントもこれに該当します。外在的フィードバックでは、内在的フィードバックで得られない客観的な情報を獲得できるので、自己評価と合わせて活用することで、運動の修正や改善に役立つことができます。あくまでも外在的フィードバックは補助的な役割ですが、不適切な内在的フィードバックを学習させないよう、外在的フィードバックをうまく用いることが重要です。
外在的フィードバックを用いるコツとして、患者さんが誤った動作を行ったときに、始めは見守り内的な気づきを促し、誤った動作を繰り返すときには声掛けをするなど、毎回、外在的フィードバックが入らないような工夫が必要です。また、1週間前と現在の歩行の様子を動画でみて、歩容の改善を見て確認するなど、ポジティブなフィードバックにも外在的な方法は有用だと思います。参考にしてみてください。
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