日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.451 【有用なのはストレッチ?関節運動?】筋緊張異常に関するQ&A

質問

筋攣縮で圧痛がある患者さんがいます。痛みや筋緊張の改善には、ストレッチを行うのがよいでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

ストレッチよりも、軽い関節運動で筋収縮を促しましょう。 筋攣縮とは、骨格筋とその付近を走行する血管が痙攣をおこした状態で、筋緊張亢進に加えて、圧痛や伸張痛と伴うのが特徴です。筋緊張亢進と伸張痛がある状況で、ストレッチは疼痛を増強するためあまり有効とはいえません。

筋攣縮に対しては、軽い筋の伸張と収縮を繰り返す運動がお勧めで、このときのポイントとして、筋の長さを変えない等尺性運動で行うことが有用といわれています。等尺性運動が良い理由として、等尺性運動は腱に牽引刺激が加わり、脊髄反射によって筋をリラクゼーションする効果があるためです。

また、反復的な運動により、筋内の血管の収縮と弛緩を促し、血管の痙攣によって不良となった血流を改善する効果も期待できます。始めや軽い動作から始め、筋の圧痛や伸張痛が軽減することを確認しながら、動作の負荷を徐々に調整するようにしましょう。