質問
椎間板ヘルニアは髄核が後方に脱出するタイプが多いということですが、なぜ後方に脱出しやすいのでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
椎間板の後外側は靭帯の補強を受けていないため、後方に脱出しやすいのです。椎間板ヘルニアは、椎間板の線維輪の中の髄核が突出して、神経を圧迫することで痛みを起こす疾患です。椎間板は前方を前縦靭帯が、後方を後縦靭帯が補強していますが、実は、後外側は靭帯の補強を受けていないという解剖的特徴があります。この靭帯がない部分から髄核が突出するケースが多いため、椎間板ヘルニアの好発部位となるのです。
対策としては、疼痛コントロールと合わせて、椎間板にストレスのかかる動作について患者さんと共有し、普段の生活や仕事で問題となる動作を避けるように徹底的に指導することが重要です。特に中腰での作業は、髄核が後方に突出するストレスとなるので、再発予防のためには回避すべき動作となります。痛みが落ち着くといつもの動作に戻ってしまう患者さんも多いので、早期からアプローチを行っていきましょう。
Tweet