日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.424 【本当に筋力が弱いだけ!?】着座時にドスンとなる原因とは

質問

トイレ動作の着座のときにドスンと座ってしまう患者さんがいます。下肢の力が無いので仕方がないのでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

着座時にドスンとなる方は、下肢の筋力低下だけではなく、足関節に問題があることがあるのでチェックしてみてください。

まず、自分で立ち上がった状態からゆっくり着座をしてみてください。股関節・膝関節は屈曲しますが、足関節も背屈していきます。この足関節の背屈の角度が十分でない場合に、ドスンとした着座になることがあります。足関節背屈の可動域が十分あるかチェックしてみてください。

足関節背屈の可動域に問題がなくても、着座には、足関節は背屈の動きをしながら、足関節底屈筋であるヒラメ筋が、遠心性収縮をしながら着座時の足関節をコントロールしているので、ヒラメ筋の筋力が不十分な場合もドスンという着座になることがあります。この場合は足関節の筋力を改善する必要があります。

着座や立ち上がりというと、膝関節や股関節に目が向きがちですが、足関節にも注意してアセスメント・対策をしてみてください。