日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.422 【片麻痺で膝が折れて危ない!】移乗動作に関するQ&A

質問

重度の片麻痺で移乗動作時に下肢に力が入らず、膝折れしやすい患者さんがいます。介助する時にどのような点に注意すればよいでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

注意すべきポイントとしては、移乗する時の患者さんの足の位置と、介助者側の足の位置です。まず患者さんの足の位置は、患者さんの健側下肢が後方に、麻痺側下肢が前方へくるようにしてください。自分で試してもらうとわかりますが、足を後ろに引いた方が体重がかかりやすくなります。膝折れは体重がかかって支えきれない時に生じるので、膝折れしやすい麻痺側を前に出すことで荷重をかからないようにして、支えとなる健側は後ろに引くのがポイントです。

また、膝折れリスクが高い場合は、写真のように介助者の膝下を患者さんの膝下に当て、膝折れを防ぎながら介助するのも有用です。あまり押し付けてしまうと患者さんの動きを阻害してしまうので、当てるくらいの感覚を持っておきましょう。効率よい介助方法と足の位置を意識することで、残存機能を活かした動作介助ができると思いますので、意識してみてください。