日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.418 【後ろに突っ張る患者さんを移乗するコツ】離床Q&A

質問

ベッドから車椅子に移る際に、体幹が後方へ突っ張ってなかなか移乗できない患者さんがいます。どのようにすればうまく介助できますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

体幹が後方へ突っ張る患者さんは、臨床でよく経験しますよね。ポイントは2つあります。

1つは、体幹の前傾を作りやすい介助方法を選択することです。例えば、写真のように患者さんの体幹を大きく前傾し、介助者の膝・大腿にもたれるようにして上から介助の手を伸ばすと、後方に突っ張ろうとしてもブロックすることができます。体幹の屈曲ができないと、立ち上がり・移乗することは困難なので、このような介助方法は有効です。

もう1つのポイントは、患者さんが恐怖心で後ろに突っ張っている場合です。恐怖心を軽減するコツとしては、フットレストを取ることと、患者さんが手でつかむ所を確保することです。特に、足元のフットレストが邪魔で怖いと感じる方は、意外と多くいます。フットレストが外れたり、スイングして後方に隠れるタイプの車椅子もあるので、選択してみてください。

以上の2ポイントを是非、試してみて下さい。