日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.373 【回内?回外?どちらの改善が必要か】前腕・手関節骨折に関するQ&A

質問

前腕や手関節の骨折後に生じる回内・回外制限では、どちらを優先した改善するとADL獲得に有利ですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

利き手は回内、非利き手は回外を優先して改善を目指しましょう。

その理由を説明します。利き手で行う動作を思い浮かべてみると、書字や食事(箸やスプーン)など、回内位で行う動作が多いのが特徴です。対して非利き手で行う動作は、お茶碗を持つなど回外位で行う動作が多く、それぞれ動かす方向が違います。もちろん、回外・回内とも改善する必要はありますが、限られた時間でどちらを優先して改善を目指すかという点では、利き手・非利き手を意識することは重要だと考えます。受傷直後は固定が必要なので、手指や肩関節の自動運動実施や、手を挙上して血液の循環を促すのも効果的です。

また、骨折部における腱と骨の癒着は3〜4週間で完成するので、骨癒合や疼痛管理を多職種で話し合い、早期自動運動を開始しましょう。