日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.326 【様子見で大丈夫?】心不全症状と離床に関するQ&A

質問

在宅で心不全患者さんを担当しています。徐々に息切れが増している状態の場合、離床をどうすべきか悩んでいます。何が目安はありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

起座呼吸と浮腫の増悪があれば、離床より受診が優先と考えます。

まずは、背臥位で寝ることが可能か確認してみて、咳嗽や息が吸えない場合は、起座呼吸および胸水貯留を示唆する所見となります。加えて両下肢の浮腫、体重増加をチェックします。瘢痕が10秒以上持続する場合や、1週間で4~5Kgの体重増加を認める場合は心不全が増悪していることがあります。このような症状が揃っている状況下では離床より、受診を検討する状態です。利用者や家族は離床やリハビリを期待しているかもしれませんが、この場合は状況説明し中止し上記を検討すべきです。

受診が遅れると、増悪レベルが増し、仮に入院してNPPVで済むはずの管理が、挿管管理し入院期間が延長、廃用や心不全stageが進むことにつながります。在宅ではこういった未来予想を立てつつ、離床を行う必要があるため、事前説明時に受診の目安などをある程度共有することが必須と思われます。特に心不全は繰り返しながらstage進行するため、ルールつくりが大切です。参考にしてみてください。