質問
嚥下障害がある患者さんで、口腔ケアによる誤嚥リスクも考えられる方に、どのような方法で口腔ケアを行うと安全にできるでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
口腔ケアによる誤嚥リスクがある方に対しては、「姿勢の工夫」と「水を使わない口腔ケア」2点を意識しましょう。通常の口腔ケアの際には水を使用するので、口腔内を洗浄している時に水や汚れがそのまま咽頭に流れて、気管に流入する危険性が高いです。
まず一つ目の「姿勢の工夫」は、側臥位で枕やクッションを活用して、顎をひいた状態で口腔ケアすることがお勧めです。この姿勢なら、水や汚れが気管に流入するのを防ぐことができます。その際は水の使用量をできるだけ少なくし、吸引や綿棒、ガーゼで水分を取り除きながら口腔ケアするようにしましょう。
また「水を使わない口腔ケア」も推奨されています。こちらは口腔ケア用のジェルを用いて付着物を絡め取り、吸引で口腔外へ排出するので誤嚥リスクを低くすることができます。ジェルは水より粘性が高いため、付着物を絡めとりやすく咽頭への流入速度もゆっくりであることが特徴です。そして口腔内の湿潤も保つことができるので、ぜひ臨床で取り入れてみてください。
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