日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.313 【左右差はどのくらいまでOK?】循環アセスメントに関するQ&A

質問

血圧には健常者でも左右差があると思いますが、どのくらいの左右差があると注意が必要なのでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

10 mmHgまでは生理的左右差、10~20 mmHgは要注意、20 mmHg以上の差は報告レベルと考えます。通常、上肢の血圧は右がやや高いと言われていて、大動脈からの上肢へ行く鎖骨下動脈が、左側より右側で早く分岐するためと考えられています。生理的な左右差としては、10 mmHgは超えないことがほとんどなので、これを超える場合は要注意です。血圧の左右差が生じる要因としては、代表的なのでは動脈硬化です。さらに、20 mmHg以上の左右差は高度の差であり、直ぐに報告が必要なレベルです。

血圧左右差に加えて、呼吸変化や胸痛と訴える場合は、大動脈解離や大動脈炎症候群など重症疾患も疑われるため、迷わず離床は立ち止まり、相談・報告しましょう。是非、血圧左右差のアセスメントにも注意してみてください。