日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.312 【シーツで褥瘡に?】ポジショニングに関するQ&A

質問

ハンモック現象とは何ですか?詳しく教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

ハンモック現象とは、シーツがピンと張った状態でベッドメイキングした場合に、身体の沈む距離が浅くなって接触面積が狭くなり、骨突出部の圧力が高まることです。骨突出部の圧力が高まると褥瘡発生につながり、治療がより難航するため予防が大切です。ハンモック現象を予防するためには、ある程度シーツに緩みを持たせて敷くことが重要です。シーツを敷いたらマットレスの中央部分に握り拳を当て、中央に向かってしわが寄ってくる程度の緩さを目安にしてください。

加えてシーツの上にバスタオルを敷いている場面をよく見かけますが、これでは伸縮性のないバスタオルが厚分散機能を阻害して、結果的に圧力を高める原因となるのでお勧めできません。またマットレス本来の機能としては、身体を深く沈めて生理的な弯曲を活用して接地面積を広げて圧力を減少させることにあります。よってマットレス内圧が高すぎると十分に身体を沈めることができず、反対に内圧が低すぎると「底つき現象」が起きてしまいます。

まずはマットレスやシーツの状態の確認や、患者さん自身を観察するところから始めてみてください。