日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.306 【要注意の離床時のめまい】血流から考える原因

質問

めまいとふらつきによって対応が変わることがわかりましたが、小脳・脳幹が原因で離床時にめまいを訴える場合に、注意すべきことがあれば教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

小脳・脳幹が原因の場合は、離床時の頸部の姿勢に注意が必要です。その理由は、小脳・脳幹に血流を送っている、椎骨動脈・脳底動脈と、頸部の姿勢が関わるからです。特に椎骨動脈は機械的に圧迫を受けて、血流低下を起こしやすい血管です。具体的には、頸部を過度に伸展することや、頸部を回旋で血流が低下するリスクがあります。高齢者や椎骨動脈狭窄がある患者さんでは、頸部を伸展や回旋しながら離床をすると、ふらつきを起こすリスクが高いので、頸部の姿勢に注意しながら離床するのがコツになります

また、椎骨動脈・脳底動脈に狭窄や動脈硬化があると、血流の低下からめまい・ふらつきを起こすことがあります。血管撮影で椎骨動脈・脳底動脈狭窄が認められる場合は、離床時のふらつきや血圧変化に十分注意して進めるべきです。