日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.268 【離床プラスアルファがキモ!入院中のリラックスで腸の動きを整える】

質問

排泄を促すには交感神経を緩め、リラックスが大切だということですが、入院中の患者さんはリラックスする機会がなかなかありません。なにか良い方法はありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

ズバリ離床前に「お腹をゆっくり触る」ことがお勧めです。がんの緩和ケアでも、タッチングにより疼痛・不安の軽減をはかることがありますが、腹部もゆっくり暖かい手で触れることで、交感神経の緊張をやわらげる効果が期待できます。方法としては、お腹約5 cmくらいの深さをゆっくり擦るように触れ、腸を温めるようなイメージで触ります。

もう一つリラックスを促す方法としては「深呼吸」です。深呼吸では、ゆっくり呼気を長く吐くことを意識することで、さらに交感神経の緊張を緩めることができると考えられます。ただし、過敏性腸症候群や腹膜炎では腹部を触れることで、痛みを生じることがあるので注意をしてください。