日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.190 【攻めの離床の条件とは】栄養と炎症に関するQ&A

質問

炎症が高い状態が持続する方は、炎症が下がるまでは積極的な離床は避けたほうがよろしいのでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

臨床で炎症の高いかたの離床レベルの設定は、重要なポイントですね。

例えば、CRP 5 mg/dL以上など、炎症が高い状態の場合は、積極的な運動は控え、合併症予防程度の離床を継続することが、一般的に推奨されます。

しかし、患者さんの病態などによっては、炎症反応が高い状態が長く続いて、ADLや機能の低下がどんどん進行するリスクがあり、ある程度負荷をかけていきたい状況もあると思います。

そのときは「酸素」の必要性をみましょう。

身体が負荷に耐えられない場合は、少しの活動によって、酸素消費が増加し、心拍数増加や息切れを生じます。

炎症が高い状況でも離床をトライする場合には、チームで相談し、離床による利益とリスクを十分天秤にかけ、考えられる最適な離床レベルですすめるにしてください。