早期離床Q&A(回答者:曷川 元 他 日本離床研究会講師陣)

<< Q&Aリストへ戻る

Q75.

深部静脈血栓症(Deep vein thrombosis; DVT)発症後に離床させる基準や時期について詳しく教えてください。

A75.

深部静脈血栓症(以下:DVT)は、肺血栓・塞栓症に移行すると重篤な状態に陥る危険性があります。

そのため、我々医療スタッフも日々、どの程度、動かして良いのだろう?と日々悩む事柄でもあります。

DVT発症後の離床基準にいては、施設や医師により異なる場合があります。

DVTの大きさや発症部位によっても違いがあるようですが、明確な基準が確立されていないのが現状です。

以前はDダイマー値を1つの目安とし離床を進めることがありました。
そんな中、2016年に静脈血栓塞栓症(VTE)における臨床実践ガイドラインがアメリカ理学療法協会(APTA)から発表され、離床のアルゴリズムが示されました1)。
ここではアルゴリズムを一部抜粋してお伝えします。

まず下大静脈フィルターの有無を確認し、フィルターが挿入されている場合は離床可能です。

フィルターが挿入されていない場合は、抗凝固療法の種類により離床のタイミングを判断します。

抗凝固療法は、①低分子量ヘパリン、②未分画ヘパリン、③ワーファリン、④フォンダパリヌクス・NOAC新規経口抗凝固剤が挙げられており、離床基準としてそれぞれ、①投薬5時間後~、②投薬48時間後~、③INR 2~5、④投薬3時間後~と示されており、長期臥床の必要性が無いことが示されています。

大切な事は上記アルゴリズムを施設内で検討し、どのような基準で離床を行っていくか?にあります。
是非参考にしてください。

1)Hillegass E, et al. Role of Physical Therapists in the Management of Individuals at Risk for or Diagnosed With Venous Thromboembolism:Evidence-Based Clinical Practice Guideline. Phys Ther. 2016 Feb;96(2):143-66.

<< Q&Aリストへ戻る