早期離床Q&A(回答者:曷川 元 他 日本離床研究会講師陣)

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Q77.

NYHA分類に基づき離床介入を行うとの事でしたが、認知症のある超高齢者の心不全の評価はどのように行えば良いでしょうか?

A77.

まずは、「おさらい」から解説していきます。NYHA分類は、心機能の障害を問診により簡便に評価できる方法です。Ⅰ度~Ⅳ度で分類され、自覚症状をもとに判定が行われる訳です。

Ⅰ度であれば、心疾患はあるものの通常の活動では症状がない
Ⅱ度であれば、通常の身体活動で疲労・動悸・呼吸困難・狭心痛等が出現する
Ⅲ度であれば、通常の身体活動以下でⅡ度の症状が出現する
Ⅳ度であれば、安静時からⅡ度の症状が出現している
となります。

ご質問の通り、認知症をお持ちですとコミュニケーションを取りづらい事もあり、NYHAによる分類が困難な事もあるでしょう。そのような時は、講座でもお話したように「どの薬が投与されているか」という視点で考えてみてください。

例えば、利尿剤の内服薬のみでしたら、比較的重症度は軽度と考えて(NYHAⅠ~Ⅲ)特に離床制限は必要ありません。

しかしカテコラミンや、hANP、あるいは利尿剤の点滴(または注射)が投与されていれば、それは重度の心不全と考え(NYHAⅣ)治療開始後3~5日間はベッドサイドでの離床に制限したほうが良いでしょう。

このようにコミュニケーションがとれなくても、どの薬が処方されているかを確認し、そこから患者さんの病態を把握し、離床の判断に繋げることが可能です。
まさに、医師のみではなく、私たちが薬剤を学ぶメリットであると言えます。

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