早期離床Q&A(回答者:曷川 元 他 日本離床研究会講師陣)

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Q10.

MRI脳画像で病巣とアーチファクトを見分けるコツ

MRI脳画像でアーチファクトを脳梗塞だと勘違いをしたことがあります。 アーチファクトを見分けるコツはありますか?

A10.

MRI画像を判読する際、異常とみられる画像部位が、病巣であるか?アーチファクトであるか? 皆さん一度は迷ったことはあるのではないでしょうか?

まず、アーチファクトとは、「ノイズ」・「虚像」と言い換えられ、 異常所見ではない部位でも、 異常のように見えてしまうことを指します。

ご質問にあるMRI画像で良く見るアーチファクトの原因は、

  • 体動
  • 金属や医療機材(歯科金属類やペースメーカーなど)
  • 空気

等があげられます。 これらの原因によってみられるアーチファクトの特徴を、 1つずつ見ていきましょう。

体動によるアーチファクトは、 幼児や不随意運動を認める方にみられやすく、 脳画像が2重・3重にみえてしまうのが特徴です。 対策としては、患者さんの同意のもとに鎮静を用いることもあります。

金属や医療機材によるアーチファクトは、 身につけている貴金属類は火傷の危険性や、 MRI装置の故障の原因になるため、 原則外してから検査を行います。

歯科の金属類ではアーチファクトが、 一部分に描出されますが読影上、問題はありません。 (もし、MRIを受けられる場合には、 必ずコールボタンを渡されますので、 異変を感じたら我慢せずに止めてもらってください。)

体内に埋め込まれているペースメーカーも、 日本では2013年より安全にMRIを受けられる装置に変わっております。 しかし、以前から埋め込まれている方もいますので、 検査前後の装置確認は必要となります。

空気によるアーチファクトは、 MRI撮影の特徴である磁場の強さを乱すものとして空気が挙げられます。 MRIには撮像法が数多くあり、 中でもDWI(デュフュージョン)※では、 鼻腔や耳腔にアーチファクトがみられるのが特徴的です。 ※DWI:超急性期脳梗塞の診断に有用な撮影方法

対策としては、すべての撮像法に等しく観察されるものではなく、 ある撮像法でのみ、目立ったりするということが分かります。 アーチファクトかどうか迷ったときには、 他の撮像法と対比してみることも重要です。

そして、神経所見が優先されることを一番に考え、 画像読影を学んでいただけると良いでしょう。

最後に、MRIだけではなく、CT,X-Pを読影する基本として、 「正常と違うところ探し」がとても大切になります。 つまり、正常画像を相当数みることによって積める技術になります。

しかし、毎日忙しいコメディカルが、 常に画像(特に正常画像)をみるなんてできません。 そのため、研究会では異常を見分けるポイントに絞って 講義を開催していますので、是非ご活用下さい。

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