人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします！
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「せん妄予防は術前から！？」という内容を紹介します。
せん妄の対応って大変ですよね。ICUでも病棟でも、毎日のように苦労していると思います。このせん妄ですが、なんと手術の前から戦いは始まっているようです！
中国のJiangさんは、冠動脈バイパス術を実施する患者さんで、手術の前からの取り組みが、せん妄予防に重要であると報告しました。対象は中国の3施設で、2022年4月から2023年5月までに、冠動脈バイパス術を実施する患者さんで、手術の10日前からの認知機能トレーニングをするかどうかの、無作為化比較試験を実施したようです。認知機能トレーニングは、記憶、想像、推論、反応、注意、情報処理にかかわるトレーニングを、オンラインで実施したようです。
208人の患者さんが対象となり、102人が認知機能トレーニング、106人が従来のケアを受けたようです。そしてせん妄はCAM-ICUで評価しました。術前の認知機能トレーニングを受けた群では27.5%がせん妄になり、対象群では43.4%がせん妄になったようです。全然違いますね。さらにせん妄の重症度、期間も認知機能トレーニングで改善したようです。
術前の認知機能トレーニング最強ですね！しかも、オンラインで家でしてくれるなら実施可能かもしれません。日本でもしてくれないかな～
ICUで術後管理する側としてはせん妄がこんなに減るなら、めっちゃ助かりますね（泣）
Cognitive Training for Reduction of Delirium in Patients Undergoing Cardiac Surgery: A Randomized Clinical Trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38652478/