日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【抜管後の肺炎を予防する】看護師によるSOCプログラム

気管内挿管が長期化した患者さんは、抜管後に嚥下障害や肺炎のリスクが高くなると言われています。そんな気管内挿管後の経口栄養と、肺炎発生に対するアプローチについて、興味深い報告が届きました。

この研究では、48時間以上の気管内挿管後に抜管された145名の患者さんを対象に、口腔ケアのみと、嚥下・口腔ケア(SOC)プログラムを看護師が連続7日間実施した場合の、経口栄養の改善と肺炎発生率の違いについて調査しています。SOCプログラムは、口腔運動、口腔内への感覚刺激、安全に嚥下訓練を行うための教育の3つの項目で構成されているアプローチ法です。その結果、SOCプログラムを受けた患者さんは、口腔ケアのみの患者さんと比較し、経口栄養を再開する可能性が2.35倍も高く、30日以内の肺炎発生率が72%も低いことが分かったというのです。

抜管後の嚥下障害や肺炎予防に対し、看護師の介入で効果があるのは注目すべき点で、SOCの平均実施時間は1日約14.8分程度と短い時間で済むため、忙しい業務の中でも、実施できる可能性があり、実践に役立つと感じる研究です。

下記の原典では、SOCプログラムの目的や具体的な方法を見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Shu-Fen Siao et al.Effects of a swallowing and oral-care program on resuming oral feeding and reducing pneumonia in patients following endotracheal extubation. Crit Care. 2023 Jul 12;27(1):283.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37438759/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

10月29日(日) 10:00~16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
リハビリの要素を取り入れた機能的口腔ケアと嚥下アプローチの実際 
嚥下アプローチ編
【講師】源間 隆雄 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r115-2023#/

皆様の申し込みを心よりお待ちしております。