
人工膝関節全置換術(TKA)は、術後の筋萎縮・筋力低下によって、ADL低下などが長期化することがあります。そんなTKA術後の筋力低下に対して、参考になる報告がドイツから届きました。
Franzらは、TKA手術予定の患者さん対して、敢えて四肢を圧で締めて血流を阻害する加圧トレーニングを、6週間の術前トレーニングを行いその効果を調査しています。その結果、6週間の術前トレーニングにより筋肥大が得られ、その筋肥大は術後にも維持されていたほか、QOLの改善にも有効であったということです。漫然と術前指導をするだけではなく、適切な負荷をかけて、術後の筋力低下を最小限にする素晴らしい取り組みだと感じる研究です。
下記原典では、加圧トレーニングや有酸素運動の詳しいプロトコルをみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。
Alexander Franz et al. Impact of a Six-Week Prehabilitation With Blood-Flow Restriction Training on Pre- and Postoperative Skeletal Muscle Mass and Strength in Patients Receiving Primary Total Knee Arthroplasty. Front Physiol. 2022 Jun 14;13:881484.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9237436/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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