
質問
脳卒中後に筋緊張異常をきたし、痛みが強くて離床に消極的な患者さんがいます。痛みを和らげるためにできる対策を教えてください。
回答
離床前に、筋緊張を緩和する薬剤の先行投与を検討することをお勧めします。 脳卒中後の筋緊張異常を痙縮と言い、緊張が高まって動作制限の原因となることがあり、対策は重要です。臨床で有用な対策としては、静的ストレッチです。筋肉を伸ばした状態で30〜45秒ほど保持することで、筋肉の緊張が和らぎ関節可動域の拡大を図ることができます。
しかし、ご質問のように、痛みから離床の阻害因子となるほど、筋緊張異常が強い場合には、ストレッチだけでは改善しない場合があります。そのようなときは、チザニジンやエペリゾンといった、筋弛緩作用のある薬剤を使用することで、痙縮を抑制し、痛みの緩和が期待できます。
これらの薬剤は、効果の発現に60分から90分かかるので、服用から時間を空けて離床を行うのがポイントです。また、筋緊張緩和効果が得られやすくなる一方で、眠気や筋力低下などの副作用があるので、離床時は患者さんの症状の変化を注意深く観察することが重要です。薬剤と離床のコラボも選択肢に入れて、不要な臥床を減らしていきたいですね。
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