質問
アウターマッスルが優位に活動すると、インナーマッスルの活動低下するというのは本当ですか?
回答
本当です。例えば脳卒中後の片麻痺患者さんでは、アウターマッスルが優位に活動し、インナーマッスルが活動低下している状態がよくみられます。アウターマッスルは、身体の表層にあり、大きな力を発揮する筋肉群で、インナーマッスルは深層にあり、姿勢の安定や臓器の特定の位置への固定に働きます。
片麻痺患者さんが麻痺側の上肢を挙上しようとする際、広背筋や大胸筋、僧帽筋上部、三角筋といったアウターマッスルが過剰に働くことがあります。このとき、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜といった体幹の安定性に働くインナーマッスルや、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋といった肩甲帯の安定性に働くインナーマッスルが、十分に機能しないため、バランスが不安定で粗雑な動作となります。このように、インナーマッスルとアウターマッスルの働きの不均衡が生じると、麻痺側の肩関節での亜脱臼が生じたり、非麻痺側に体幹を側屈させる代償動作が見られたりして、肩の痛みや非効率な動作につながります。
離床やリハビリにおいては、骨盤と横隔膜の位置関係を意識し、腹圧が高まる位置でインナーマッスルを働かせながら、末梢のアクティブな動作を促し、姿勢コントロールを行っていきましょう。インナーマッスルとアウターマッスルの働きを、アクティブな動きの中で作っていくことが大切です。
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