日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.576 【どのくらいの勢いが必要?】排痰に関するQ&A

質問

排痰できる咳はどのくらいの勢いが必要ですか?

回答

自分で排痰できるレベルはPCFで240L/min 以上といわれています。排痰のためには、咳に勢いが必要で、その勢いを評価する指標に、咳嗽時の最大呼気流速(PCF:Peak Cough Flow)があります。

中高齢者の入院患者を対象とした研究では、自己排痰可能なレベルはPCF 240L/min以上、吸引が必要となるレベルはPCF100L/min 未満であると報告(文献)しています。PCF が240L/min に満たない症例の場合は、自己排痰ができない可能性を考え、徒手的呼吸介助や排痰補助装置による咳嗽の必要性を検討しましょう。

機器がなくPCFが測定できない時の目安としては、常にゼーゼーと痰が絡む場合に、徒手的呼吸介助や排痰補助装置による咳嗽を検討しましょう。咳はエネルギーを消耗するので、咳の強さをアセスメントして、強さに応じたケアを選択することが、リスク管理の上でも重要です。参考にしてみてください。

文献
山川梨絵,他.排痰能力を判別するcough peak flowの水準―中高齢患者における検討―.人工呼吸.2010;27:260-266.

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