日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.574 【アプローチの部位を変えてみる】脊椎の運動療法に関するQ&A

質問

脊椎をモビライゼーションする手技を患者さんに行ってもあまり効果を感じたことがないのですが、根拠がないのでしょうか?

回答

根拠がないのではなく、動かす場所と目的に問題があると思います。

脊椎のモビライゼーション手技ですが、徒手的に椎間関節を動かすという意味では、有用な手技です。評価に基づいて、「どこに手技を行うか」を慎重に選ばないと、効果を出すことができません。脊椎への介入を考える場合は、“痛み”と“動きが悪い”の大きく2つに分かれると思います。

“痛み”の場合は痛みの生じている椎間関節の位置より、離れた位置のアプローチから始めていきます。その理由は、痛みの生じているところは、本当に椎間関節の動きが悪い部位の代償で動き過ぎて、痛みを生じている可能性があるからです。この動きが悪い部位を、モビライゼーションで動きを改善することができれば、痛みが改善する可能性があります。

“動きが悪い”部位がわかっている場合は、ダイレクトにその椎間関節にモビライゼーションを実施して、動きの改善を試みればよいと思います。

このように、改善したい問題を明確にしたうえで、アプローチを行ってみてください。

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