日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.549 【その疲れはどこから?】離床時の倦怠感に関するQ&A

質問

離床時に倦怠感を訴える患者さんが時々います。倦怠感の原因はどのように見分ければよいですか?

回答

離床時の倦怠感につながる原因は、いくつか考えられるので、フィジカル所見とデータから推測することが大切です。

代表的なものでは貧血と低栄養が挙げられます。

貧血では、倦怠感に加えて、眼瞼結膜・顔面蒼白がないかなどを確認し、貧血が疑われる場合はヘモグロビン値をチェックしましょう。

ヘモグロビン値が8.0 g/dLを切ると、離床時の倦怠感が出現するので、必ず貧血のチェックを行うようにしましょう。

また、低栄養も離床時の倦怠感につながる原因です。

食事摂取量が低下し、るい痩のある場合は低栄養を疑い、血液データもチェックするようにしましょう。

血液データでの栄養指標はアルブミン値が有名ですが、アルブミン値は半減期が長いため、急性期には使いづらいのが難点です。

そこでお勧めの指標は総コレステロール値です。

総コレステロール値は、半減期が1日から3日とアルブミン値に比べて短いので、短期間での栄養状態の変化を捉えやすいと言えます。

総コレステロール値が140 mg/dL未満では低栄養があると考え、離床時の倦怠感が出現することを念頭に、負荷量を調整するようにしましょう。

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