質問
心不全患者さんは塩分制限が必要だと思いますが、食事が進まず低栄養も心配です。どうすればよいですか?
回答
塩分制限と食事の味がしない問題は、確かに悩ましいですよね。心不全患者さんは、食塩を多く摂取するとナトリウムの水分を貯める作用で、循環血液量が増加して心負荷が増大するために、塩分摂取制限が必要となります。
一方で、ご質問にあるように塩分を控えた食事では、どうしても薄味となるため、食事量が低下し、低栄養から体重減少・サルコペニアをなる可能性があります。さらに、心臓悪液質といって、心不全の影響で慢性的な炎症状態から、タンパク異化が亢進する状態となり、体重減少やサルコペニアが加速することが問題となります。
このジレンマに対して、最近は心不全の患者さんでも、画一的な塩分制限は見直してもよいという意見もあります。もちろん、過剰な塩分摂取は心負荷を増大させますが、心不全の治療・管理と、低栄養のリスクを天秤にかけ、医師や管理栄養士と相談して、個々に塩分制限の具合を調整できると良いと思います。
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