質問
メモリーノートは記憶障害のある患者さんに有用だと思いますが、メモリーノートの存在自体を忘れてしまう患者さんにはどのような対応すればよいのでしょうか。
回答
メモリーノートは、記憶障害の人が生活するために、ADLや仕事のスケジュールを記載して自己管理と促す代償的アプローチ方法の1つです。しかし、ご質問にあるように、メモリーノート自体を忘れてしまう場合、自分のやるべきことを思い出すことができず、生活や仕事に支障が出てしまいます。
メモリーノートの存在自体を忘れてしまう方には、「先行刺激」を適切に設定して、良い「後続刺激」を引き出し、メモリーノートを使用するスキル学習を促すのがお勧めです。「先行刺激」とは、患者さんが行動する前に、スタッフが働きかけることで、「後続刺激」は、患者さんの行動の結果に起こる反応や事象のことです。
先行刺激の具体例としては、「部屋を出るときには常にメモリーノートを携帯する」や「タイマーをかけてメモリーノートを定期的に見る」といったものがあると思います。それによって、メモリーノートを見て、時間通りにリハビリに行くことができた、薬を忘れずに飲むことができた、など成功につながれば、良い後続刺激につながります。さらに、できたことを他者が賞賛することも、学習の強化につながります。是非、 先行刺激と後続刺激を意識してメモリーノートを導入してみてください。
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