質問
骨転移のある患者さんに対して、痛みに応じて離床しても良いと医師から指示がありました。どの程度までの痛みなら許容範囲なのでしょうか?
回答
骨転移患者さんをみる時は「原発がんの治療がされているか」「骨転移の治療がされているか」の2つを確認しましょう。「原発がんの治療がされているか」「骨転移の治療がされているか」の2つが行われていれば、疼痛は徐々に減少していくことが期待できます。その場合は、疼痛の自覚症状に合わせて離床を進めていけることが多い印象です。
一方で、原発がんの進行が進み、治療の適応が無くなり、残念ながらBest supportive care(BSC)となった場合、緩和的に骨転移の治療が行われたとしても、新たに 骨転移を発症する可能性が高くなりますので、離床は注意が必要です。具体的には、疼痛のスケール(NRSなど)を使用し、痛みの増悪がないか、いつもと違う痛みがないか、を確認しましょう。
原病の進行が抑えられておらず、疼痛が軽減せず増悪する場合の離床は、病的骨折などの骨関連事象SRE(Skeletal related events)のリスクが高くなるので、主治医に相談し、離床を進めていくべきかどうかを確認する必要があります。 この場合は、患者さん・医師・看護師・セラピストなどで話をして、残された予後をどのように過ごすかを話し合う時なのかもしれません。 がんの終末期になると、エビデンスが乏しく判断に悩むことが多くみられますが、多職種で相談しながら、患者さんのneedに応えていく必要があります。
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